車のセラミックコーティングをご自分で施工する方法を解説
自動車のコーティングと言いますと、ガラスコーティングが思い浮かぶ方が多いかと思いますが、近年、車好きの方の間では、より高性能な最先端コーティングとして、セラミックコーティングが人気を集めています。
セラミックコーティングとは、海外における硬化型のコーティングのことで、スプレータイプではなく、液剤を直接ボディに塗り込むことで、コーティングが硬化し、被膜を形成するものを指します。
スプレータイプのセラミックコーティング剤は、硬化するコーティング被膜を形成しないことから、セラミックシーラントというジャンルに区分されるのが一般的です。
そして、セラミックコーティングはガラスコーティングよりも艶、撥水性、手触り、防汚性(汚れにくさ)において優れているというメリットがある一方、施工がガラスコーティングよりも難しいというデメリットもあります。
そのため、セラミックコーティングはご自分でDIYで施工される方よりも、コーティング専門店で施工される方が多いですが、今回はセラミックコーティングの中でも非常に施工が簡単な製品のご紹介と施工する際のポイントをご紹介します。
使用する製品は下記の通りです。
コーティング剤はお客様のお好みで選んでください。
・おすすめセラミックコーティング① 艶重視タイプ
tershine(ターシャイン)はスウェーデンのカーケアブランドで、今回使用する製品は艶を極限まで引き上げるセラミックコーティングです。業務用としてプロのコーティング専門店でも使用されていますが、非常に施工が簡単なことから海外ではユーザー様ご自身で施工するコーティングとしても普及しています。
画像の通り、コーティングを塗り込むためのアプリケーターブロックとスエードも付属します。
30mlサイズで普通車2台分施工可能です。(もしくは1台に2層施工し、より効果を引き上げることも可能です)
・おすすめセラミックコーティング② ボディー以外にも施工が可能な万能タイプ
Nanolex(ナノレックス)のSi3D APX(All-purpose exterior)は、車両外装全てに施工できるセラミックコーティングで、ボディー、窓ガラス、ホイール、未塗装樹脂パーツまで対応しています。最先端のハイブリッドSiO2により、包括的な保護を実現し、比類のない艶と耐久性で愛車を保護します。
・マイクロファイバークロス(5〜10枚)
マイクロファイバークロスは、tershine社のものを使用する必要はありません。高価なマイクロファイバークロスを少ない枚数で施工するよりも安価なものでも清潔で沢山の枚数を使用する方が、失敗するリスクを軽減することに繋がります。
コストコ COSTCO マイクロファイバークロスも安価で気兼ねなく使用できることからおすすめです。
コーティングを拭き取ったマイクロファイバークロスは、繊維がコーティングを吸ってしまい吸水性が著しく低下するため、使用後は足回りなど汚れた箇所に使用するか、破棄することになります。
・パネルワイプ(脱脂剤)
パネルワイプは塗装面の油分を取り除き、セラミックコーティングの定着を促進する効果があります。
塗装に油分が残った状態でコーティングを施工してしまうと、定着が阻害されコーティングの性能が最大限に活かすことができませんので、必ずご用意ください。
・油分除去剤
こちらは必須ではありませんが、万が一コーティングの拭き取りでミスをしてしまった際に、ムラになったコーティングを除去することができます。
初めてご自分でセラミックコーティングを施工される場合は、ご用意いただくと良いかと思います。
様々な製品が流通していますが、おすすめはプロヴァイド社のOCメンテナンスクリーナーがおすすめです。
前置きが長くなりましたが、それでは実際の施工手順をご案内致します。まずはいつもより念入りに洗車をします。
ボディに鉄粉が付着しザラザラしていると、コーティング本来の撥水性能を発揮しないため、場合によっては鉄粉除去剤を使用します。
鉄粉除去剤を使用する場合は、一度シャンプーを洗い流して、水分を拭き取ってからスプレーすることで、鉄粉除去剤が水で薄まらないで効果的に反応します。また、鉄粉除去剤はボディの上で乾かないようにご注意ください。紫色に反応している部分が鉄粉です。
ケミカルがボディの隙間に残らないように、大量の水で洗い流したら、しっかりと水分を拭き取ります。
コーティング施工中に水が垂れてきてしまうとシミの原因になりますので、念入りに拭き取ってください。
洗車キズやウォータースポットが気になる場合は、この時点で研磨、ケミカル洗浄をすることでクオリティーが飛躍的に向上しますが、難しい場合はそのまま次の工程に進みます。
パネルワイプでボディを脱脂します。
清潔なマイクロファイバークロスにパネルワイプを1〜2プッシュ程度スプレーして優しく拭き取ります。
国産車の塗装密度の低い車両やブラック系の濃色車は塗装が曇ってしまう場合がありますので、目立たない箇所で様子を見ながら作業してください。
施工環境も非常に重要な要素になります。
施工環境の目安は気温10〜25℃(理想は20℃前後)湿度は50%前後になります。
コーティングは気温が高ければ高いほど硬化が早くなり、施工難易度が上がります。
同様に湿度も高いほど硬化が早くなりますので、ご注意ください。
また、理想はガレージ等での施工が望ましいですが、屋外にて施工する場合は上記の気温と湿度だけでなく、傷防止のため風が強い場合は施工を控えてください。
それではいよいよ施工に入ります。
まずは付属のアプリケーターにスエードを巻きます。
最初はスエードにコーティングが含んでいないため、少し多めに均等に垂らします。
直線的にコーティングを塗り込んでいきます。
施工時の気温、湿度によって硬化する速度が異なりますので、まずは小さい範囲(50cm×50cm)を目安にしてください。
塗布後、すぐに硬化が始まります。
暑い場合はすぐに、寒い場合は2〜3分程度時間を空けてから拭き取りをして問題ありません。
時間を空けすぎてしまうと硬化してムラになってしまいますので、慣れないうちは無難にすぐに拭き取ることをおすすめします。
ちなみに、液剤を塗る量が少ないとその分早く化学反応するため、硬化も早まります。
逆に多めに液剤を塗り込んだ方が硬化に時間がかかるため、失敗のリスクが軽減します。
用意したマイクロファイバークロスで優しくコーティングを拭き取っていきます。
ここでのムラなく仕上げるコツは、粗拭き用と仕上げ拭き用でクロスを使い分けることです。
1枚目のクロスであらかた拭き取ったら、2枚目のクロスで余剰分が残らないよう念入りに拭き上げます。また、塗り進めることで、クロスにコーティングが溜まってきた場合は、新しいクロスに入れ替えてください。
コーティングの拭き取りムラを見落とさないように、様々な角度でダブルチェックをしてください。
また、コーティングを拭き取る際に隣接するパネルにコーティングが伸びてしまうことが、ムラを見落としてしまう一番の落とし穴です。そのため、実際には塗り込んでいない隣接するパネルも確認をしながら拭き取っていきます。
万が一、ムラになってしまった場合は、前述の油分除去剤を清潔なマイクロファイバークロスに適量付け、優しくなじませることで除去することができます。
また、油分除去剤には油分が含まれていますので、使用した場合は再度脱脂をしてからコーティングを施工して下さい。
コーティングの硬化が早いと感じましたら、
①気温もしくは湿度が低い時に施工する
②アプリケーターにコーティングをつける量を多くする
③コーティング塗り込み後、すぐに拭き取る
④コーティングを塗る範囲を細かく狭めながら、少しづつ施工する
上記のポイントを抑えることで改善できます。
こちらが施工後の写真です。
今回は下地処理にケミカル洗浄と研磨をしていますが、コーティング特有のシャープな艶感に仕上がっています。
また、最後にボディ以外の施工事例も挙げさせていただきます。
こちらのコーティングは未塗装樹脂パーツにも施工が可能で、紫外線によって白ボケしてしまった樹脂パーツを
自然な艶感で黒々とした色味を取り戻すことができます。
Before、Afterで差を確認してみます。
塗り込んで余剰分を拭き取るだけで簡単に復元します。
是非、お試しください。
ボディと施工方法が同じためご説明を割愛しますが、ホイールにも施工が可能です。
長文になりましたが、最後までお読みいただき誠に有難うございました。
傷や汚れを完全に取り除いてコーティングを施工される場合は、プロショップでの施工が間違いありませんが、コーティング専門店の場合、クオリティーを重視するため施工日数が5〜7日程度かかることもあり施工費用が高額になってしまうことがあります。
是非、手軽にセラミックコーティングを試したいという方はご参考にしてみてください。
ご質問は下記の公式LINEで受け付けております。
また、当店では日本最大級の海外カーケア用品のECサイトも展開しております。
ご興味のある方は、ご覧くださいませ。
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